ディーンさんの結婚観とは?―『結婚』ディーン・フジオカさん&西谷真一監督舞台挨拶

6月13日(火)、なんばパークスシネマにて映画『結婚』の舞台挨拶が行われ、本作主演の俳優、ディーン・フジオカさんと監督の西谷真一氏が登壇した。

原作は、直木賞作家の井上荒野による小説で、ディーン・フジオカさん演じる主人公の結婚詐欺師・古海健児があらゆる女性たちを騙してゆく中で、男女の孤独と欲望を描いた内容となっている。

左から、ディーン・フジオカさん、西谷真一監督

ディーンさんが舞台に姿を現すと、会場全体が溢れんばかりの歓声に包まれた。大阪が舞台の連続テレビ小説『あさが来た』で五代友厚を演じたディーン・フジオカさんの来阪を心待ちにしていたのだろう。その期待の大きさがうかがえた。

「みなさん、大阪に帰ってきました。ただいまー!」というディーンさんの明るい第一声とともに、舞台挨拶の幕が上がった。


3回目のタッグ


今回、ディーンさんと西谷監督が一緒にお仕事をするのは3回目だそうで、ディーンさんは本作で西谷監督から結婚詐欺師という役を頼まれたときのことを振り返り、「そうですね、まあ、犯罪者か~と思って(笑)じゃあ、やりましょうかっていう。僕は別にどんな作品でも、監督が選んでくださるものであれば、一緒に映画を作りたいなっていう気持ちがまず先にあったので」と語った。

原作の主人公とはまったく容姿の異なるディーンさんをキャスティングしたことについて西谷監督は、「(原作では)40代半ばの、背の低いっていう主人公ですよね。ディーンさんがやられたら、古海健児というのが化学反応を起こして引き立つんじゃないかと思ったんですね」と微笑みながら答えた。


短い撮影期間


本作の撮影期間は、予備日を含め、2週間だったという。その短い期間の中で、ディーンさんと西谷監督はディスカッションを重ね、作品を作り上げていった。劇中では、ディーンさんが提案したシーンもあるのだとか。ディーンさんは、出来上がった作品を観て、「不思議な感じでしたね。2週間、本当に古海健児として生きていたようなものだったので、すごく密度の濃い日々を送らせていただいて。人の人生って限りがあるわけですけど、そのうちの何百分の、何千分の1とかになるんですかね。それを古海健児という人物として本当に生きたみたいな。全部が一つの作品になって、それを目の当たりにしたときに、感無量でした」と本作に対する自分の思いを熱く語ってくれた。


俳優として、父として


本作で結婚詐欺師という新たな一面を見せたディーンさんに対し、西谷監督は、「もともとスゴい人だと思っていましたけど(笑) さらに、来年、再来年と大きくなっていく方だと思います。」と語った。

また、本作の『結婚』というタイトルから結婚の魅力について問われたディーンさんは、「僕は、普段(家族と)一緒に住んでいないので、こう、同じ空間で一緒に居られるということが、まあ子どもたちの笑顔があったりだとか、やっぱり家族がいるところが自分にとっての帰る場所であって、そこが物理的に家になるっていう感覚なので、そういうこと(感覚)を知れてよかったです」と、家族を思う父親としての顔を見せた。(みさ)


映画『結婚』は、6月24日(土)より、全国にて公開される。
(関西では、なんばパークスシネマ、テアトル梅田、MOVIX京都、109シネマズHAT神戸などで公開予定)


作品情報■『結婚』 (公式サイト :http://kekkon-movie.jp/)

「結婚しよう」──まるで呼吸するかのように、自然にプロポーズを決める男。彼の名は古海健児(ディーン・フジオカ)。端正な容姿に気の利いた会話、捉えどころのないミステリアスな瞳、そしてどこか寂しげな横顔で瞬時に女たちの心を奪う、結婚詐欺師だ。

 出会ってひと月も経たない古海のプロポーズに、家具店で働く麻美(中村映里子)は驚き戸惑いながらも、初めて訪れた幸せに舞い上がる。だが、二人で暮らすマンションの敷金として100万円を渡した直後、古海は麻美の前から姿を消してしまう。

 そんな手口で古海は、元々は被害者の一人だったるり子(柊子)という相棒と共に、市役所に勤める鳩子(安藤玉恵)、キャリア志向の元編集の者の真奈(松本若菜)と次々と相手に合わせて設定を変えて女を騙していく。──だが驚くべきことに、彼自身は妻の初音(貫地谷しほり)と幸せな結婚生活を送っていた。(中略)

 果たして、騙した男と騙された女たちが、欲望の果てに見た真実とは?そして女たちの想像も願望も鮮やかに裏切る、古海が背負った秘密とは──?(公式サイトより)


Profile■ディーン・フジオカ 

日本、福島県生まれ。香港でモデルとして活動を始め、映画「八月の物語(2005年)」の主演に抜擢され俳優デビューを果たす。その後台湾に拠点を移し数々のドラマ、映画、TVCF等に出演。また、アジア以外でも、北米ドラマ「The Pinkertons」に出演するなど活躍の場を広げる。日本ではNHK連続テレビ小説「あさが来た」の五代友厚役で知名度を上げ、2017年エランドール賞・新人賞を受賞。また、自ら作詞・作曲・プロデュースを手がけインドネシアで制作されたアルバム『Cycle』を2016年にリリース。同年秋にはTVアニメ『ユーリ!!! on ICE』の主題歌『History Maker』を担当、2017年は主演映画「結婚」の主題歌やテレビ朝日「サタデー/サンデーステーション」のエンディングテーマも書き下ろし、東京・大阪・福島で行う夏のライブなど、音楽活動も積極的に行う。12月1日には『鋼の錬金術師』、2018年には『空飛ぶタイヤ』『坂道のアポロン』が公開予定。(公式サイトより)

映画チア部

神戸・元町映画館を拠点に関西のミニシアターの魅力を伝えるべく結成された、学生による学生のための映画宣伝隊。