この時代のわたしたちに居場所はあるか?『ぼくと駄菓子のいえ』大阪シネ・ヌーヴォにて2/4(土)から公開

大阪府富田林市にある駄菓子屋「風和里(ふわり)」を舞台にしたドキュメンタリー映画『ぼくと駄菓子のいえ』が、2/4(土)~3/3(金)の1か月間大阪のシネ・ヌーヴォにて公開される。駄菓子屋・風和里を切り盛りする松本明美さんと娘のよしえさんと、店を訪れる様々な問題を抱える子供たちの交流を描いた映画だ。

映画『ぼくと駄菓子のいえ』より


現在大阪芸術大学に在籍し、本作が初監督作品になる田中健太監督は、製作のきっかけは大学1回生の時の課題だったと語る。

「原一男監督の授業で”魅力的なおばちゃんを探してくる”という課題が出され、そこで風和里と、松本明美さんやよしえさん、そして子供たちを知りました。駄菓子屋が行き場のない子供たちの居場所になっていることに驚きを感じました。自分自身も中学生の時に不登校だったこともあって子供たちに共感を覚えたというのもあります。1回生の発表のあと、これを題材に劇映画かなにか作れないかと考えていた時に原一男監督に『これはドキュメンタリーにしたらどうだろうか?』と提案されて本格的に製作がスタートしました。」

2回生の時に製作をスタートさせてから約3年あまりの撮影期間を経て公開となる本作。自身と同世代である学生に対して、家庭や学校以外の場所で自分の居場所があることの大切さについて感じてほしいと、田中監督は語る。

「撮影中や公開に向けて駄菓子業界や教育関係の方々とお会いする中で思ったのは、今の子供たちにとって風和里のような居場所を見つけることが大変であるという事と同時に、大人たちにとっても子供たちの居場所を作るのは大変なのでは?という事です。きちんとしたお仕事ならともかく、善意だけでやっていくのは大変な時代だと思います。もちろん、子どもだけでなく僕ら学生や大人にとっても、家庭や学校や職場以外に自分がいてもいいんだと思える居場所を見つけるのはそう簡単ではないと思います。この映画が、そういった問題について何か観てくださった方に考えるきっかけになればと思っています。」

自分の居場所を見つけることも誰かに与えることも困難なこの時代に、風和里は人と関わりあう事の難しさと喜びを、優しく教えてくれる。

『ぼくと駄菓子のいえ』予告編

作品情報■『ぼくと駄菓子のいえ』(公式HP:http://www.bokutodagashinoie.com/)
大阪府富田林市にある小さな駄菓子屋「風和里(ふわり)」。松本明美さんとその娘よしえさんが営んでいる「風和里」には、親の離婚やネグレクトなどの家族の問題や学校でのイジメなどに悩み、居場所を求めてやってくる子供たちが少なくない。そんな子供たちに時に厳しく、また時には優しく接する明美さんとよしえさん。明美さんたちと子供たちとの涙あり、笑いありの交流と成長を描いたドキュメンタリー。
大阪のシネ・ヌーヴォにて2/4(土)~3/3(金)の1か月間公開。イベントやトークショーも開催される。
〈イベント情報〉
・上映期間中、劇場内で『出張駄菓子屋・風和里』を開催。初日2/4(土)は松本明美さん(出演)が販売いたします。
・2/14(火)バレンタインデー企画 来場者全員に50円玉の形をしたチョコプレゼント
〈トークショー〉
2/4(土) 松本明美さん(出演)×田中監督
2/6(月) 大森一樹さん(映画監督)×田中監督
2/7(火) 今村克彦さん(共育者)×田中監督
2/9(木) 山本健慈さん(社会福祉法人アトム共同福祉理事・前和歌山大学長)×一森風和里さん
(現役中学生〈少年の主張〉大阪代表)×田中監督
2/10(金) 西村幸三郎さん(児童虐待防止協会執行理事 大阪芸術大学教授)×田中監督
※諸事情により、2/4(土)の松本よしえさん(出演)の来場は取りやめとなりました。
また、2/9(木)に一森風和里(ふわり)さんの登壇が追加されました。
詳細はシネ・ヌーヴォHPをチェック!→(http://www.cinenouveau.com/index.html)
Profile ■田中健太(監督・撮影・編集)
1993年3月14日生まれ。高校時代から映画監督を志し、8ミリフィルムで短編映画を制作。その後、大阪芸術大学に入学し、映画制作を学ぶ。本作が初監督作品。

(こ)

映画チア部

神戸・元町映画館を拠点に関西のミニシアターの魅力を伝えるべく結成された、学生による学生のための映画宣伝隊。